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みおしえ
1月 『信仰と人間的進歩』
謹んで新春のお慶びを申し上げまず。
今月は〈信仰と人間的進歩〉の御教えから、今年一年の心構えを吐(はら)に収めていただきたいと思います。
〈信仰は 唯々人間的進歩に外ならず
以て家庭社会に貢献せんとするにあり〉
信仰するきっかけが、最初は貧・病・争を克服するためであっても、いつまでもその次元に止まっていてはなりません。
あくまで信仰は、人間らしい人間になるため、生涯を通して人間磨きをするためです。そして最終的には、住みよき家庭社会を築くためだということを忘れないようにしましょう。
〈向上なき信仰は 為すとも続かず
御利益なき信仰は やがては消ゆ
協力なき信仰は勢いを見ず〉
先ず大切なのは、「こんな自分になりたい」と思い、人間的向上を目指して信仰すること。そうでなければ、信仰は続きません。
また、どんなに精進しても、何の御利益も頂けないのであれば、その信仰は、いずれ消えていくでしょう。
何より、偕(とも)に信仰に精進する信友との繋がりがなければ、楽しく精進していけないものです。
〈人間的進歩
月に依って我れを見る
年に依って我れを見る〉
どれほど家族や人様を喜ばせ、役に立っているか。その月を振り返って、自分自身を見つめてみること。また、その年を振り返って自分自身を見つめ、来年に生かしていくことです。
なかなか人間的に進歩向上できなくても、一歩でも、半歩でも、進歩向上できるよう精進を積み重ねていくことが大切なのです。
〈実践の段階
十指を折るが如く 常に実践の段階を辿る者は
人間的進歩に後るる事なし〉
一本一本、指を折って数えるように、常に怠ることなく、一つまた一つと着実に〈善隣の道〉の実践に精進していけば、必ず人間的に進歩していきます。
〈山に頂きあり 階段に限りありと雖も
実践の段階と人間的進歩に限りなし〉
山には頂上があり、階段も上りつめれば、そこで終わりです。
しかし、御教えの実践という階段には、「これまで」という限界点がありません。同じように、人間的進歩にも「これで良し」という限界がないのです。
〈汝今日より
信仰と人間的進歩に生涯を献げて
存分 神に守られよ〉
ある信徒が「私は死ぬまで生きます」と言われ、納得してしまいましたが、まさに死ぬまでの生きている間、信仰によって人間的に進歩し続けようと決意することが、神に守られる道です。
そしてそのためには、そうやって生きている自分を自分で認めること。決して自分を見捨てるようなことはしてはなりません。
人間的進歩
では、〈人間的進歩〉とは何かを次の御教えから学びましょう。
〈実践は 是れ進歩の足〉
人間は不完全な存在です。だからこそ、しっかりと自分の足で御教えを実践し、人間的に進歩していくことが大切です。
〈進歩は 是れ神に近寄らんとする歩みなり〉
〈進歩〉とは、万人を平等に愛してくださる完全円満なる〈神〉に近づこうとする霊(たましい)の成長です。
先ずは、気にかかる人がいれば、その方の幸せを願い、祈りを捧げる人になりましょう。
〈−(ひく)事と+(たす)事は同時なれば
常に−(ひく)事を以て+(たし)
進歩進歩で信仰の道を行かんとする者は
人間的進歩の大道を行く〉
−(ひく)とは、冷静に自分を見つめ直すこと。そして+(たす)とは、相手のことを思い愛することです。
つまり、ひいてはたし、ひいてはたしていきながら、自分の今の心と生活を反省し、改善し、人間らしい人間へと進歩していく。
それが〈信仰の道〉であり、〈人間的進歩の大道〉なのです。
〈道の実践に依り改善の道を行くは
人間的進歩の道〉
日々、〈善隣の道〉の実践に励み、一歩でも完全円満なる人間に近づけるよう改善し、人間的に進歩していきましょう。
〈進歩の時
1常住
特定
上機嫌の発揮
愉快感情の発揮
2人間的進歩は
神に近寄らんとする事であり
信仰の道を行く事であり
幸福への道である
3らしさの発揮に積極的である事は
人間的進歩の本道である〉
日常生活における〈常住〉の時でも、本庁や教会にお参りするなど〈特定〉の時でも、常に上機嫌で楽しく愉快な気持ちでいることができれば、人間的に大きく進歩することができます。
しかし、「自分さえ正しい生活ができていれば、それで良い」という考えでは進歩できません。そういう自信勝手な生き方から、一日も早く脱却することです。
そして、信仰によっておかげを頂いたのなら、決して自分だけのものにせず、家族や縁ある人と語らいながら、分かち合うこと。そうして、誰もがあなたの信仰心に感化され、生かされていくことが、神に近づくことであり、信仰に生きる道なのです。
もし、困っている人がいれば、手を差し伸べてあげ、悩んでいる人がいれば、親身になって悩みを聞いてあげましょう。
喜んでいる人がいれば、偕に喜び、悲しんでいる人がいれば、偕に泣きましょう。
それが、人間らしい生き方であり、〈幸福への道〉なのです。
今年も新たな気持ちで、積極的に人間らしさを発揮し、御神尊様の御慈光(みひかり)を多くの方へ注いでいこうではありませんか。
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