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みおしえ
4月 『心の糸』
草花の生命も、生き生きと躍動する春。皆様も御教えを授かることによって、日常生活ではなかなか気づけない自分を発見し、生き生きと輝く毎日を送っていただきたいと思います。
そこで今月は、〈心の糸〉の御教えを自分自身の糧とし、素晴らしい運命製造の道を歩んでいきましょう。
〈汝等常に心の糸を切る事勿れ
離す事勿れ 幸いの失わるる事なし〉
御神尊様は、いろいろな人との出会いの中から、人間の心と生命の関係が、その人の運命と関わっていることを発見されました。父と母の繋がりによって子どもの生命が誕生するように、すべての生命は繋がり合って生きていることを見極められたのです。
つまり、私たちが求めてやまない幸せは、眼には見えないけれど厳然として存在する〈心の糸〉を切らないように、また離さないように、いかに太く強くするにかかっているということです。
〈心の糸(眼に見えざる糸)
人間同士の心と心の繋がり
人と人との心を繋ぐもの〉
眼には見えない〈心の糸〉とは何か。それは、人間の心と心を繋ぐもの。つまり、人と人との心を繋いでいくものです。
しかし、〈心の糸〉は、些細な事で簡単に切れてしまいます。それをそのままにしておくのか、繋ぎ直すかによって、その人の運命は大きく変わっていくのです。
〈幸福とは
人の心と人の心の繋がった精神状態
共に喜び 共に楽しむ精神状態〉
心の中というのは、大人になればなるほど見えにくくなります。相手の表情や目つき、話しぶりなどから、その人の心の内をうかがおうとしますが、なかなか本心は見抜けないものです。
しかし、そういう分かりにくい人間同士だからこそ、本当に心と心が繋がり、喜びを分かち合い、共に楽しむことができた時は、この上ない幸福を感じることでしょう。
〈人間は 心と心の交わりに依って
生命の保全延長に生涯を献ぐ〉
互いに支え合い、心と心を通わせて生きることができるならば、どんなに幸せなことか分かりません。
しかし、ひと度「我の念」が湧くと、〈心の糸〉が切れ、心を通わすことができなくなります。
そうならないように、常にふれ合い、言葉を交わして、生命を生き生きと輝かせ続けることが大切なのです。
〈人間喰うだけでは生きられはせじ〉
食べなければ生きることができないのは当然ですが、食べるたけでは生きていけないのが人間です。
日頃から本音を出し合って語り合えるほど心を通わし、人と繋がっていてこそ、真の幸福を感じ、生きる喜びを感じるものです。
それでは、どのようにして見えない〈心の糸〉を繋いでいけば良いのでしょうか。
〈心の糸は 眼によって 耳に依って
口に依って 心に依って繋がる〉
大切なのは、「見方」「聞き方」「話し方」です。
まず「見方」ですが、自分勝手な先入観で決めつけず、素直な心で相手を見ることです。人の心は常に変化しているのですから、昨日の考えと今日の考えは違うかもしれません。だから、一方的に決めつけた見方をせず、ありのままを見る目を養いましょう。
次に「聞き方」です。相手の話を面倒がらずに良く聞くことが肝心です。よく聞いていれば、その人の心の声が聞こえ、本心を理解することができるようになります。
最後に気をつけなければならないのが、「話し方」です。身近な人であればあるほど、ぶっきらぼうな話し方になりがちなもの。それ故に、自分の「話し方」が相手の心に伝わっているのかを、いつも心がけなければなりません。
そして何よりも大切なのが、「ありがとう」「お疲れ様」などの感謝や慰労の言葉です。さらに、「おはよう」「こんにちは」などのあいさつの言葉こそ、人の心と心を繋ぐ大切な言葉であることを忘れず、その実践に心がけましょう。
〈人間心は通うものである
通ずるものである〉
人間の心は必ず通じるものです。しかし、そのための努力を惜しんではなりません。相手が理解してくれないと嘆くのではなく、「いつか必ず理解し合える」と信じ、決して諦めないことです。
また、その気にさえなれば、いつでも切り替えて新たな心になれるのが人間。自尊心やプライドのために、自分の非を素直に認めたくない時もあるかもしれませんが、それでも必ず、互いに通じ合うために生まれ変わろうとするのが、人間なのです。
さらに、心を通わせるのに鍵となるのが、次の御教えです。
〈よく話し よく語る者の心と心は
通い易くて幸い多し
されど無口にして心の糸の痩せたる者は
不幸病気に相会う事多し〉
一方的に話すのではなく、〈よく〉話し語ることが大切です。
御神尊様は、「無口は三大不幸の一つ」とおっしゃっていましたが、見えない心は話さなければもっと見えないので、〈心の糸〉を繋げず、互いに不幸病気に泣くことになるのです。
したがって、あまり深く考え過ぎず、自分の方から積極的に人に話しかけていくように努めましょう。
〈汝等今日より 心の糸を切らず離さず
すべての人と相繋がって
常に嬉しく楽しき処へ居れ
幸いの失われる事なし〉
すべての人と繋がって、毎日を楽しく生きていくためには、まずは自分自身が心の輝きを失ってはなりません。
そのためにも、祈りによって〈御神尊(かみ)〉の御慈光(みひかり)を授かり、陽気な心で家族や縁ある人と繋がっていきましょう。
〈神は心の糸を切らず離さず
常に相繋がった処へ
居らんとする者の処に来たりて
幸いを垂れ給う 守り給う〉
神は、人間が仲良く円満に暮らすことを望まれています。
だからこそ、まずは祈りによって、神との〈心の糸〉をしっかりと繋ぐこと。そして、すべての人との〈心の糸〉を繋ぐ努力をすることこそ、〈神の子〉である人間としての生き方なのです。
偕に繋がり、偕に幸せな人生を送られることを切に祈ります。
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