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みおしえ
２月 『失う事勿れ』
善隣信仰に精進する上で大切なのは、自分自身の心と生活を客観的に見つめ、御教えのままに実践できているかどうかを内省することです。そこに信仰の尊さとありがたさがあります。
さて、今月は〈失う事勿れ〉という御教えを授かります。これまでの生き方を振り返り、人生において何を失ってはならないのかをしっかりと見つめ直していただきたいと思います。
〈失わざる者は失わず
失うが故にこそ失う
故に今日より 失う事勿れ〉
謎解きのような御教えですが、示されている御教えの奥に込められている神意を感得しなければなりません。
つまり、私たちは常に幸福健康を願っているのに、その幸福健康を掴みきれず、失ってしまう愚かな人間であるということを自覚すること。だからこそ、人間として何を失ってはならないのかを考えなければならないということです。
それでは、人間として失ってはならないものとは何でしょうか。それが次の三つ、すなわち〈人生の三宝〉です。
〈人間として失ってならざるもの（人生の三宝）
１ 我れを思い人を思う誠心
２ 我れを愛し人を愛する愛情
３ 我れと人とを幸せにする明朗心〉
私たちが一人で生きているのならば、〈人生の三宝〉は必要ありません。しかし、人間は神よりその尊い生命（いのち）を授けられ、日々、見えない御恵（みめぐ）みによって生かされています。先ずは、そのことを自覚し、生かされていることに感謝しているかが大切なことです。
そのことを前提に、御神尊様は「人間は本来、幸せであるべき存在だが、この三宝を失うと不幸になる」と教えていただきます。したがって、もし不幸病気に見舞われたら、その度に〈人生の三宝〉が欠けていなかったか振り返り、それを取り戻すことです。それでは、〈人生の三宝〉とは何か。一つずつ御教えを修めていきましょう。
第一の宝は、〈我れを思い人を思う誠心（まことごころ）〉です。
あなたは、自分に生命が与えられていることを喜んできたでしょうか。自分の生命を大切に思うことができなければ、人の生命を大切にすることはできません。
心の底から生命があることを喜び、喜びをもって生き、自分の生命と同様に人の生命も大切にする。それが〈誠心〉なのです。
第二の宝は、〈我れを愛し人を愛する愛情〉です。
愛情は、人間の感情の中で最も貴いものです。しかし、相手の気持ちをよく聴いて、よく理解できなければ、真の愛情を与えることはできません。
そのためには、まず自分を愛すること。自分を愛してこそ、人を愛することができるのです。なぜなら、自分を愛することは、自分の生命を生み育ててくれた親や先祖を愛することに繋がり、自分の生命の大元である神を愛することになるからです。
不断に新生命を授けてくださっている神の愛を感じながら、〈神の子〉として生きる時、心から生かされていることに感謝する。その感謝の心こそが、幸福健康を造っていくのです。
さらに第三の宝は、〈我れと人とを幸せにする明朗心〉です。
放っておけば、人間の心はすぐに暗くなってしまいます。しかし、幸福健康になりたいと思うのなら、どんなに辛い目に遭っても、決して陰気にならないように、さらにまだ来ない先の事を心配して暗くならないように、気をつけなければなりません。
自然界の生命が光に向かって生きていくように、人間も同じ。毎日コツコツと笑顔の生活を積み重ねていけば、自然に〈明朗心〉が身に付いてきます。陽気にワイワイ語り合いながら、家族や縁ある人と明るく楽しい人生を築いていく。それが最高の幸せです。
〈三宝を失う者は幸福と健康とを失うて
その生涯や憐れなり〉
どうしても幸福健康になれないというのなら、それは〈三宝〉を失っているからに外なりません。
失ってしまう主たる原因は、「私が」と譲りきれない「我（が）の根性」にあるのです。その「我」をいかにコントロールするか。そのためには、毎日、自分の顔を鏡で見て、心のシミを見ては、〈三宝〉を失っていなかったかに気づくことが大切です。
〈汝常に三宝を失い
我れを苦しめ（心 体 生活）
人を悩まし（対立）
我れと人とを否定して 自ら生きる処なきに泣く〉
〈三宝〉を失うと、何を見ても何を聞いても不平不満に思い、人を責め咎（とが）めるので、自他ともに幸せな気持ちになれません。
つまり、自分の心と体と生活を大切にできないので、人の心と体と生活も大切にできず、人と対立しては人を悩ましてしまう。そして結局は、自分の存在価値も人の存在価値も否定してしまうため、憐れな人生を送ることになるのです。
〈汝の心に三宝心の甦らざる限り
道に叶わず 神の救いに会い難し〉
あなたの心に、〈誠心〉〈愛情〉〈明朗心〉の三宝がないのではありません。ただ、今は失っているだけのことなのです。
だから、失っていたことに気づき、その〈三宝心〉を甦らせて、〈三宝心〉のままに生きる。それが神に救われる道であり、毎日、おかげをいただく生き方なのです。
〈汝直ちに三宝に目覚め すべてを処理し
明朗以て誠心で愛の生活にいそしめ
即時 神に助けられん〉
どんな出来事に遭遇しても、すぐに〈三宝〉に目覚め、すべてを処理すること。何か自分に足りなかったかを自分に問い、「やります」の心で神の力を呼び、自分の力を呼び覚ますことです。
雨が降っても、「恵みの雨」だと喜べるように、見る事・聞く事すべてを明るい心で捉え、為す事すべてに誠心をもち、誰とでも愛の生活を送ることができれば、必ず神に助けていただけます。
〈三宝を失わざる者は 日常生活に障害なく
不幸病気に会う事なし〉
なぜ、〈三宝〉を失ってしまうのでしょうか。それは、日常生活の忙しさに追われ、心を亡くしてしまっているからです。
どんなに忙しくても、決して笑顔を忘れず、心のこもった感謝や労いの言葉をかけて、皆を幸せにしていきましょう。
〈汝よくよく三宝を失いたるを自覚し
三宝に目覚め 存分 神に救われよ〉
つい〈三宝〉を失いがちになる自分であるということを自覚し、日々、祈ることです。さらに本庁や教会に参って御神尊様の御慈光（みひかり）を霊（たましい）に充電し、〈三宝〉の実践に精進しようではありませんか。
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